暖房の「20℃」は、リモコンを必ず20℃に合わせるという意味ではありません。 環境省のウォームビズが目安としているのは、暖房中の室温です。 設定を20℃にしても、座っている場所が同じ温度になるとは限りません。
エアコン暖房では、過ごす場所の温度を測り、部屋の暖まり方と寒さに合わせて設定を調節します。 ここでは、温度計の置き方と、設定を変える前後に確かめたいことを順に説明します。
更新日: / 出典確認日:2026年10月3日
20℃は室温の目安。設定温度と分けて考える
設定温度は、エアコンが目指す温度としてリモコンなどで指定する値です。 室温は、部屋のある場所で測った空気の温度です。 暖かい空気は上にたまりやすく、エアコンの温風が届く場所と足元では温度が違う場合があります。
例えば、リモコンは20℃でも、座る場所の温度計は18℃を示す状況を考えます。 これは違いを説明する仮の例で、機器の誤差や部屋の温度差を一律に2℃とするものではありません。 設定の表示だけで「十分暖かい」と判断せず、その場所の室温を確かめることが大切です。
環境省のウォームビズの案内は、暖房時の室温20℃を目安に、服装なども工夫して過ごす考え方を示しています。 すべての人に20℃が快適だという基準ではありません。 室温が20℃前後でも寒さを感じるなら、服装や気流を見直し、必要に応じて暖房を調節してください。
以下の手順は主に家庭のエアコン暖房を想定しています。 ほかの暖房器具では温度の設定方法や運転の仕組みが異なるため、使用機種の説明書を確認してください。
温度計は、実際に過ごす場所の状態を測る
まず、普段座る机の近くなど、寒さを感じる場所で測定します。 タニタの温湿度計の使い方の解説では、直射日光やエアコンの風、加湿器の風が直接当たる場所を避けるよう案内しています。
- 直射日光が当たる窓際や、温風の吹き出し口のすぐ前を避けます。
- 本体の通気部分をふさがず、測定する場所の空気に触れられるようにします。
- 温度計を移動した直後の値だけで判断せず、説明書に従い、表示が落ち着いてから読みます。
- 室温と一緒に、リモコンの設定、運転開始からの経過、座る場所の寒さを記録します。
足元だけ寒いときは、普段使う場所に加えて、足元付近でも測ってみると温度差を確認できます。 床に密着させるなど温度計の通気を妨げる置き方は避け、測定位置を変えた後は再び表示が落ち着くのを待ちます。
記録の例:設定20℃、机の近く18℃、足元が寒い。 設定を変更した後も同じ場所で測り、「部屋が暖まったか」「寒さが和らいだか」を比べます。 この記録は説明用の例で、実測結果ではありません。
測った室温と寒さから、次の調節を選ぶ
室温の目安だけでなく、どこが寒いかを合わせて考えます。 運転を始めたばかりなら、部屋が暖まり、温度計の表示が落ち着いた状態を見て判断してください。
| 過ごす場所の室温 | 感じ方 | 次にすること |
|---|---|---|
| 20℃より低い | 部屋全体が寒い | 暖房モードと暖まり方を確認。必要なら設定を上げ、同じ場所で測り直す。 |
| 20℃前後 | 足元だけ寒い | 温度差、風向き、窓からの冷気を確認。改善しなければ設定も調節する。 |
| 20℃より高い | 十分暖かい | 無理なく過ごせる範囲で設定を一段階下げ、室温と寒さを確かめる。 |
20℃は省エネを考える目安で、健康上の最低温度や全員の適温を決める表ではありません。 一段階の幅は機種によって異なります。
温度を変える前後に確認する4つのこと
リモコンが暖房モードになっているか、設定温度と測った室温がどう違うかを確認します。 設定を変更したら、部屋の暖まり方が落ち着いてから同じ場所で測り直します。 調節の幅や運転中の表示は使用機種の説明書に従ってください。
足元だけ寒い場合は、風向きと室内の温度差を確かめます。 パナソニックは、サーキュレーターで上部の暖気を循環させる方法を紹介しています。 人に風が当たって寒くならないよう、送風する向きを調整してください。
夜に窓際が冷えるなら、カーテンを閉めて保温します。 暖房器具を併用している場合は、カーテンなどが器具へ近づかないよう説明書の設置条件を守ります。 冷気が気になっても、必要な換気口をふさがないでください。
以前より暖まりにくい場合は、フィルターの汚れも確認します。 日立の案内では、ほこりによる目詰まりが暖房の効きを弱めると説明しています。 清掃は説明書の手順で行い、通常と異なる動作が続く場合はメーカーの相談窓口を利用してください。
厚手の服やひざ掛けも、無理なく過ごすための選択肢です。 ただし、服を追加すれば誰でも決まった温度だけ暖かく感じるとは言えません。 寒さが続くなら20℃にこだわらず、必要な暖房を使ってください。
節電額は、外気温、部屋の断熱、運転時間、機種、電気料金によって変わります。 設定を1℃下げれば必ず何円安くなる、と一律に計算することはできません。 暖かさを確かめたうえで無理のない設定を探し、費用の比較は暖房の光熱費の考え方も参考にしてください。
調節に役立つ公式資料と関連記事
環境省:ウォームビズとは
室温20℃という目安の考え方と、服装や住まいでできる工夫を確認できます。
タニタ:温湿度計を使うときのポイント
通気部分の位置、日光や風を避ける置き方など、測定前の確認に役立ちます。
パナソニック:冬のエアコン暖房の節電ポイント
風を人に当てずに空気を循環させる方法や、窓の保温の工夫が図でわかります。
出典と確認日
以下の資料の本文を2026年10月3日に確認しました。 初公開日や更新日を確認できなかった資料は、確認日だけを記載しています。
- 環境省「ウォームビズとは」:暖房時の室温20℃の目安、服装と住まいの工夫。
- タニタ:快適な暮らしと健康を守る鍵「温湿度計」の基礎知識と活用法(2026年1月5日):通気部分と、日光や風を避ける置き方。
- パナソニック「冬のエアコン暖房は何度が目安?」:室温と設定温度の区別、空気循環と風向き。
- 日立「暖房の設定温度の目安は何℃ですか?」:カーテンの保温とフィルターの確認。
- ダイキン「エアコン暖房の賢い使い方を検証せよ!」:上下の温度差と空気循環。掲載実験の温度差をすべての部屋へ当てはめてはいません。
